賛同署名追加募集のお知らせとお願い

★2015年6月2日「賛同者一覧(第2次募集追加分)」「賛同者のメッセージ」を更新しました。

提訴から1年半が経ちました。吉見裁判は4月20日に第7回口頭弁論を迎えます。

弁論に向けて、吉見教授は現在、陳述書をご執筆中ですが、学界でも桜内発言への危機感が広がっていることの証拠として、陳述書で私たちの声明の一節を引用し、あわせて声明と賛同者一覧を証拠書類として提出されることになりました。弁護団の判断では、提出のタイミングは秋に予定されている結審の1週間前ぐらいがよいとのことです。

そこで、この機会にあらためて賛同者を募りたいと存じます。今日の日本の危うい政治・社会状況を考えれば、この裁判のもつ意味は重大であり、吉見教授を支援する輪をいっそう拡げなければなりません。お知り合いの方で、まだ署名がお済みでない方に、ぜひ呼びかけていただければと存じます。

署名の締切はさしあたり、9月20日(日)20時といたします。

これまでの経緯など、詳細は下記のリンク先をご覧下さい。

 【署名の仕方】

下記の署名用フォームのページにアクセスし(携帯からでも可能)、必要事項を記入のうえ、送信してください。

  https://ssl.form-mailer.jp/fms/8e0697c6270781

※ご質問・ご意見は、次のメール・アドレスまでお願いします。

  問い合わせ先:y-support@freeml.com

 ※最新情報は下記ブログにて更新予定です。

  http://y-support.hatenablog.com/


吉見義明教授の裁判闘争を支持し、「慰安婦」問題の根本的解決を求める研究者の声明

*追加募集にあわせて、第1段落の日付2カ所に「2013年」を挿入しました。
   〔旧〕7月26日 → 〔修正後〕2013年7月26日
   〔旧〕5月27日 → 〔修正後〕2013年5月26日

さる2013年7月26日、日本軍「慰安婦」研究の第一人者として知られる吉見義明中央大教授が、「日本維新の会」所属の桜内文城衆議院議員を名誉棄損で、東京地裁に提訴しました。問題の発端は、2013年5月27日「日本維新の会」共同代表の橋下徹大阪市長が、「慰安婦」問題発言などに関する釈明の記者会見を日本外国特派員協会で行った際、同席した桜内氏が吉見氏を冒瀆する発言をしたことでした。桜内氏は、司会者が参考文献として吉見氏の著書を紹介したところ、「これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と述べたのでした。


前後の文脈から、桜内氏が吉見氏の著書を「捏造」と侮辱したことは明白です。しかし吉見氏が発言撤回と謝罪を求めると、桜内氏はこれに応じるどころか、「捏造」と述べたのは「sex slavery(性奴隷)」という概念であると、論点をすり替えようとしました。そして10月7日の第1回口頭弁論にあわせて発行された「日本維新の会 国会議員団本部」の『NEWS RELEASE』は「桜内文城衆議院議員は、日本国および日本国民の名誉と尊厳を守るため、「慰安婦=日本軍の性奴隷」という虚偽を世界に発信している吉見氏の讒訴を法廷で粉砕します」と宣言し、吉見氏と正面から争う姿勢を示したのです。


私たちはこのような桜内氏らの不誠実きわまりない法廷戦術に、強い憤りを感じています。桜内氏側の戦略は、「性奴隷」という一般には馴染みの薄い用語に世間の耳目を向けさせ、今日の日本社会に蔓延する排外主義的風潮に便乗することで、自らの過ちを隠蔽するとともに、実証的に積み上げられてきた歴史研究の成果を虚偽であると印象づけようとするものと見られます。これは研究者が自らの研究成果にもとづいて主張する学問的見解を、政治的な策略を弄して葬り去ろうとするものであり、このような行為を許してしまえば、「慰安婦」研究にとどまらず、研究成果の自由な表明に政治が干渉する道を開くことに繋がりかねません。自らの保身のために、論点をすり替え、「慰安婦」問題の解決を遠ざけようとする桜内氏らの策略は、とうてい国際社会においても受け入れられるものではなく、それこそ「日本国および日本国民の名誉と尊厳」を傷つけるものではないでしょうか。


桜内発言とその弁明の論理は、昨今、日本社会の一部で繰り返されてきた、「慰安婦」問題についての誤った認識を拡散させ被害者の名誉を傷つける悪質な宣伝を拠り所としています。そしてその背景には、過去の植民地支配や侵略戦争の過ちから目をそむけ、被害者に責任を転嫁することで自らを正当化しようとする歪んだ歴史認識があります。私たちはこのような卑劣で浅薄な歴史認識と決別することこそが、日本社会の将来を切り開く道であると確信していますが、万一、裁判で桜内氏が主張するような理屈が通ってしまえば、「慰安婦」問題の本質を歪曲しようとする歴史修正主義の主張に、司法が「お墨付き」を与えることになりかねません。


私たちは「慰安婦」問題の根本的解決が、過去の日本の過ちを正し、近隣諸国との真の和解を成し遂げるために不可欠であるという認識に立ち、また日本における学問研究の自由を守る意味からも、吉見氏の裁判闘争を全面的に支持することを、ここに表明します。司直には正義と良識にもとづいた、国際社会に恥じるところのない賢明な判決が下されることを心から期待します。また日本政府には、本年5月17日の国連社会権規約委員会および5月31日の国連拷問禁止委員会の勧告に沿って、元「慰安婦」被害者を侮辱する言動を認めない措置を取るとともに、すでに明らかにされている関係諸団体の提言にもとづき「慰安婦」問題の根本的解決をはかるよう、強く要求します。

 

呼びかけ人(五十音順)

庵逧由香(立命館大学)、板垣竜太(同志社大学)、鵜飼哲一橋大学)、内海愛子恵泉女学園大学名誉教授)、岡真理(京都大学)、長志珠絵(神戸大学)、小野沢あかね(立教大学)、笠原十九司都留文科大学名誉教授)、北原恵(大阪大学)、金富子(東京外国語大学)、駒込武(京都大学)、河かおる(滋賀県立大学)、志水紀代子(追手門学院大学名誉教授)、宋連玉(青山学院大学)、高橋哲哉東京大学)、中野敏男(東京外国語大学)、早川紀代(女性史研究者)、林博史関東学院大学)、姫田光義中央大学名誉教授)、藤永壯(大阪産業大学)、藤目ゆき(大阪大学)、吉田裕(一橋大学

 

吉見裁判第8回口頭弁論のご案内

■ 第8回口頭弁論

日時:2015年7月13日(月)午後1時30分〜4時30分
場所:東京地方裁判所103号大法廷

*傍聴券抽選実施予定。12時45分集合。
*今回は、被告側陳述書を提出した秦郁彦氏、そして原告吉見義明さんの尋問が行われます。

■ 報告集会
日 時:2015年7月13日(月)18時~(開場17時45分)
会 場:中央大学駿河台記念館670号室
     東京都千代田区神田駿河台3-11-5
     東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水」駅徒歩6分
     同千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩5分
トークセッション:
    北原みのりさん×吉見義明さん×吉田裕さん
参加費:500円

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吉見裁判第7回口頭弁論のご案内

■ 第7回口頭弁論

日時:2015年4月20日(月)午後1時30分〜4時30分
場所:東京地方裁判所103号大法廷

*これまでの口頭弁論では開始20分前までに抽選が実施されています。お早めのご来所をお願いします。

*今回は、国際法学者・阿部浩己さん、被告の桜内文城衆議院議員に対する証人尋問が行われます。

■ 報告集会
日 時:2015年4月20日(月)18時~
会 場:中央大学駿河台記念館670号室
     東京都千代田区神田駿河台3-11-5
     東京メトロ丸ノ内線御茶ノ水」駅徒歩6分
     同千代田線「新御茶ノ水」駅徒歩5分
参加費:500円

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吉見裁判第6回口頭弁論のご案内

■ 第6回口頭弁論

日時:2014年12月15日(月)15時〜
場所:東京地方裁判所103号大法廷

■ 拡大報告集会
日時: 2014年12月15日(月)18時~
場所: 文京区民センター(2階2A会議室)
都営三田線大江戸線「春日」駅A2出口徒歩2分、東京メトロ丸ノ内線「後楽園」駅4b出口徒歩5分、東京メトロ南北線「後楽園」駅6番出口徒歩5分、JR「水道橋」駅東口徒歩15 分)

この日はたまたま同じ東京地裁で午後4時より、フォトジャーナリストの安世鴻さんが「慰安婦」写真展の開催を拒絶されニコンを提訴した裁判の、第9回口頭弁論が開かれます。この機会にこのたびの拡大報告集会では、「慰安婦」問題について、吉見さん、安さんがそれぞれの取り組み、思いを語るトークセッションが企画されています。ぜひご参加下さい。

報告集会の内容:
弁護団による裁判経過報告(大森典子さん&ほか1名調整中)
トークセッション! 安世鴻さん&吉見義明さん

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吉見裁判第5回口頭弁論のご案内

■ 第5回口頭弁論

日時:2014年9月8日(月)15時〜
場所:東京地方裁判所103号大法廷

■ 報告集会
裁判が終わりしだい(時間未定)、東京地方裁判所近くの日比谷図書文化館4階スタジオプラス(小ホール)にて、報告集会を開催する予定です(参加費:500円)。ふるってご参加ください!!

吉見裁判第4回口頭弁論のご案内

■ 第4回口頭弁論

■ 夜のyoいっション(第4回口頭弁論拡大報告集会)

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「河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明」について

 

この声明は吉見裁判と直接の関係はありませんが、いわゆる河野談話の「見直し」によって「慰安婦」問題の真実を隠蔽しようとする動きの拡がりを見過ごせない立場から呼びかけられたものです。ご賛同いただける方は、ご署名をお願い申し上げます。

全ての研究者の皆さん

河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明」への賛同と周囲への呼びかけのお願い

拝啓

 ご存知のように、この間、安倍政権は「維新の会」やさまざまなマスメディアとも提携しながら、「河野談話」の見直しを進めており、その動きがこの間、急速に進められています。

 日本軍「慰安婦」問題についての河野談話は、これで十分と見るか不十分と見るか、見解の相違はあるとしても、この20年余りにわたって日本政府のこの問題についての事実の承認と反省の表れとして、一定の積極的な機能を果たしてきました。これを実質的に否定するような見直しは、韓国や中国のみならず、米国を含めた国際社会との関係でも深刻な緊張をひき起こしてしまうことを危惧しています。

 そこで、さまざまな立場から、河野談話を維持すべきであるという点で一致する研究者が、その考えを表明しようと、この共同声明を企画しました。ぜひ多くのみなさんに賛同していただき、署名をお願いしたいと思います。

 署名は次のChangeのサイトからお願いします。

 http://p.tl/1fRR

 とりあえず、3月13日に第一次集約、3月末に第二次集約をおこない、国会議員に働きかけるとともに、記者会見を開いて広く社会にアピールする予定です。

  賛同頂ける方は、ご署名をお願い致します。署名にあたっては、「コメント欄」に、所属、身分、専門分野 をお書きいただき(必須)、また任意でメッセージもいただければ幸いです。

 また周りの同僚や友人の方、所属する学会の関係者の方などに、メール、ブログ、ツイッターフェイスブックなどで署名の呼びかけを広めていただけると幸いです。 

2014年3月

河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明」事務局
林博史関東学院大学教授/平和学)
小浜正子(日本大学教授/歴史学

 

【声明文】 河野談話の維持・発展を求める学者の共同声明

 この間、いわゆる日本軍「慰安婦」問題に関する1993年の「河野談話」を見直そうという動きが起きています。「河野談話」は「慰安婦」問題は日本軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけたものであることを認め、同じ過ちをけっして繰り返さないという日本政府の決意を示したものであり、これまで20年余にわたって継承されてきました。

 「河野談話」が出されてからも、学者や市民の努力によって数多くの新たな資料が発見され、多数の被害者からの聞き取りも行われて、研究が深められてきました。「慰安婦」の募集には強制的なものがあったこと、慰安所で女性は逃げ出すことができない状態で繰り返し性行為を強要されていたケースが多いこと、日本軍による多様な形態の性暴力被害がアジア太平洋の各地で広範に発生していること、当時の日本軍や政府はこれらを真剣に取り締まらなかったこと、など多くの女性への深刻な人権侵害があったことが明らかになっています。こうした日本軍による性暴力被害が、日本の裁判所によって事実認定されているものも少なくありません。

 被害者の女性は、戦争を生き延びたとしても、戦後も心身の傷と社会的偏見の中で、大変過酷な人生を歩まざるを得なかった方がほとんどです。

 「河野談話」で示された精神を具現化し、高齢となっている被害女性の名誉と尊厳を回復することは、韓国や中国はもとより、普遍的な人権の保障を共通の価値とする欧米やアジア等の諸国との友好的な関係を維持発展させるためにも必須だといえます。

 私たちは、「河野談話」とその後の研究の中で明らかになった成果を尊重し、日本政府が「河野談話」を今後も継承し、日本の政府と社会はその精神をさらに発展させていくべきであると考え、ここに声明を発表します。

2014年3月8日

呼びかけ人(アイウエオ順)

阿部浩己(神奈川大学教授・国際法
荒井信一(茨城大学名誉教授・歴史学
伊藤公雄京都大学教授・社会学
石田米子(岡山大学名誉教授・歴史学
上野千鶴子立命館大学特別招聘教授・社会学
内海愛子恵泉女学園大学名誉教授・日本-アジア関係論)
岡野八代(同志社大学教員・西洋政治思想史)
小浜正子(日本大学教授・歴史学
小森陽一東京大学教授・日本近代文学
坂本義和東京大学名誉教授・国際政治、平和研究)
高橋哲哉東京大学教授・哲学)
中野敏男(東京外国語大学教授・社会理論・社会思想)
林 博史(関東学院大学教授・平和学)
吉見義明(中央大学・日本現代史)
和田春樹(東京大学名誉教授・歴史学

事務局:林 博史・小浜正子
連絡先:kounodanwaiji@outlook.com

お願い:署名にあたっては、「コメント欄」に、所属、肩書き、専門分野をお書きくださるようお願いします(必須)。